【頭痛専門医が厳選】頭痛診療のおすすめ書籍10選【2026年】
はじめに
「頭痛診療を学びたい。でも、たくさんある本の中から何を選べばよいかわからない。」
「頭痛専門医試験を目指すなら、どの本をどこまで読めばよいのか。」
そこで、2026年度に頭痛専門医試験に合格した筆者が、実際に読んで頭痛診療や専門医試験対策に役立った10冊を厳選して紹介します。
診断の基本から、薬物療法、片頭痛、小児、女性のライフステージ、専門医試験対策まで、それぞれの本が「誰に、どんな目的で向いているのか」を整理しました。
この記事を読めば、自分のレベルと目的に合わせて、次に読むべき1冊を選べるようになります。
まずは三種の神器から
(国際頭痛分類/ガイドライン/過去問)
頭痛専門医試験を目指すなら、まずこの3冊から始めることをおすすめします。
診断基準のICHD-3、標準治療を確認するガイドライン、そして公式問題集。
私自身、専門医試験を受験して、この3冊が試験対策の軸になるという考えは変わりませんでした。
実際にどのように使って勉強したかは、以下の記事で詳しくまとめています。

1. 国際頭痛分類 第3版(ICHD-3)日本語版
[辞書向き/全医師向け]
- 特徴: すべての頭痛診療の基盤となる診断基準です。正確な診断なくして適切な治療はありえません。本書を手元に置き、常に参照する習慣をつけることが専門医への第一歩です。
この患者さんの頭痛はどの診断基準に該当するのか?を常に意識することで、診断精度が飛躍的に向上します。 - 書籍情報:
- 出版社: 医学書院 (2018/11)
- 備考: 日本頭痛学会HPで閲覧可能ですが、書籍として手元にあると、全体を見渡しながら読み込んだり、繰り返し参照したりするのに便利です。
2. 頭痛の診療ガイドライン2021
[辞書向き/全医師向け]
- 特徴: ICHD-3で診断した後、標準的な治療は何か?に答えてくれるのがガイドラインで、日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会が監修した国内の標準的な診療指針です。一次性頭痛から二次性頭痛まで、クリニカルクエスチョン形式で診断や治療についてまとめられています。日常診療の疑問点は、まずこのガイドラインで確認するのが基本です。
- 書籍情報:
- 出版社: 医学書院 (2021/10)
- 備考: 日本頭痛学会HPで公開されており、こちらをブックマークしておくと外出先でも確認できます。
3. 頭痛専門医試験 問題・解説集 第2版
[専門医を目指す人向け/試験対策]
- 特徴: 頭痛専門医を目指すなら、避けては通れない唯一無二の公式問題集です。2024年までの過去問から良問266題が精選されており、出題傾向と求められる知識レベルを把握するために必須。解説も詳細で、周辺知識の整理にも役立ちます。2025年3月に待望の第2版が出ました。
- 書籍情報:
- 出版社: 中山書店 (2025/3)
- 出版社サイト: https://direct.nakayamashoten.co.jp/p/item-detail/detail/i1743.html
実臨床を深める7冊|片頭痛・小児・女性の頭痛まで
三種の神器で基礎を固めたら、次はより実践的な知識を深めるための7冊です。
ご自身の興味やキャリアプランに合わせて選んでみてください。
4. 頭痛治療薬の考え方,使い方 改訂3版
[専攻医向け/専門医向け]
- 特徴: 薬物療法に特化した一冊。トリプタン製剤の使い分けから、CGRP関連薬、ラスミジタン、ゲパント系といった最新の頭痛 治療薬まで網羅。薬理作用の背景から具体的な処方例まで解説されており、治療の引き出しを増やしたい先生に最適です。改訂3版で最新情報にアップデートされています。
- 書籍情報:
- 編著: 竹島 多賀夫
- 出版社: 中外医学社 (2024/2)
- 出版社サイト: https://chugaiigaku.jp/np/isbn/9784498428041/
5. 改訂2版 ねころんで読める頭痛学 診断と治療
[初学者向け/専攻医向け]
- 特徴: 日本の頭痛診療を長年牽引してきた、まさに頭痛診療の“レジェンド”ともいえる間中信也先生による入門書です。タイトルの通り、頭痛診療の全体像を平易な言葉で学ぶことができ、イラストや図も豊富です。初学者がつまずきやすいポイントが丁寧に解説されており、これから頭痛診療を学ぶ研修医・専攻医の最初の一冊としておすすめです。なお、間中先生は、長年にわたり頭痛情報を発信してきたWebサイト「頭痛大学」でも知られています。
- 書籍情報:
- 著者: 間中 信也
- 出版社: メディカ出版 (2021/10)
- 出版社サイト: https://store.medica.co.jp/item/402380391
6. 明日からの診療が変わる!頭痛の診かた・治しかた
[初学者向け/研修医・専攻医向け/一般内科医向け]
- 特徴:2026年に出版された、非専門医が頭痛診療の基本から実践までを学ぶのにおすすめの一冊です。
プライマリ・ケア医や一般内科医を主な対象として、日常診療でよく遭遇する頭痛をどのように見極め、適切な治療につなげるかが実践的に解説されています。問診・診察から治療、フォローアップ、他科との連携まで解説され、CGRP関連薬など現在の頭痛治療にも対応しており、「頭痛はよく診るけれど、専門書を最初から読むのは少しハードルが高い」という先生にも入りやすく、頭痛診療の基本から現在の治療までを一冊で学びたい場合におすすめです。 - 書籍情報:
- 編集:滝沢 翼
- 出版社:南山堂(2026/06)
- 出版社サイト:https://www.nanzando.com/products/detail/21481
7. 片頭痛の診かた ― 一歩進んだ片頭痛診療をめざして
[専攻医向け/専門医向け]
- 特徴: 片頭痛に特化した、より深く学びたい先生向けの書籍。片頭痛に関する解剖から病態生理、治療のターゲット、診断のピットフォールから最新の治療戦略まで、専門家ならではの視点で解説されています。片頭痛診療の質をもう一段階レベルアップさせたい先生に。頭痛専門医対策としても有用な書籍です。
- 書籍情報:
- 著者: 柴田 護, 清水 利彦
- 出版社: 日本医事新報社 (2023/6)
- 出版社サイト: https://www.jmedj.co.jp/products/2303
8. この1冊で極める 頭痛の診断学
[専攻医向け/専門医向け]
- 特徴: 鑑別診断にフォーカスしたユニークな一冊。症候から診断への思考プロセスを徹底的に鍛えることができます。なぜこの所見からこの疾患を疑うのかが論理的に解説されており、診断力に磨きをかけたい先生に強くおすすめします。試験対策というよりは頭痛診療に役立ちます。
- 書籍情報:
- 著者: 柴田 靖
- 出版社: 文光堂 (2020/3/18)
- 出版社サイト: https://www.bunkodo.co.jp/book/NFF6IBJZX4.html
9. 小児・思春期の頭痛の診かた(改訂2版)
[専門医向け/小児科医向け]
- 特徴: 大人とは異なるアプローチが求められる小児の頭痛に特化した定番の本。起立性調節障害との関連や心理社会的背景への配慮など、小児ならではの診療ポイントが詰まっています。改訂2版として内容もアップデートされており、小児の患者さんを診る機会のある先生は必読です。
- 書籍情報:
- 監修: 藤田 光江
- 出版社: 南山堂 (2022/2)
- 出版社サイト: https://www.nanzando.com/products/detail/28282
10. 女性の頭痛診療 内分泌とライフステージをふまえたアプローチ
[専攻医向け/専門医向け/女性の頭痛を深く学びたい人向け]
- 特徴:女性のライフステージと頭痛を体系的に学ぶのにおすすめの一冊です。月経、妊娠・授乳、更年期など、女性ホルモンやライフステージの変化と頭痛の関係を整理しながら、診断や治療を実践的に学べます。特に、妊娠・授乳中の薬物療法、女性ホルモン製剤使用時の注意点など、普段の診療でも判断に迷いやすい領域をまとめて確認できるのが大きな特徴です。私自身、頭痛専門医試験の勉強でも、女性のライフステージに関連する頭痛診療を整理するために活用しました。
- 書籍情報:
- 編集: 稲垣 美恵子
- 出版社:南山堂(2026/05)
- 出版社サイト:https://www.nanzando.com/products/detail/21561
選び方のコツ(レベル別・用途別)
- 初学者・研修医の先生: まずは『ねころんで読める頭痛学』で全体像をつかみ、『明日からの診療が変わる!頭痛の診かた・治しかた』で実践的な診療につなげるのがおすすめです。最初から10冊すべてを読む必要はありません。
- 専攻医の先生: ICHD-3とガイドラインを軸に、興味や苦手分野に合わせて専門書を1〜2冊追加すると理解が深まります。薬物療法なら『頭痛治療薬の考え方,使い方』、片頭痛なら『片頭痛の診かた』、小児なら『小児・思春期の頭痛の診かた』、女性のライフステージなら『女性の頭痛診療』がおすすめです。
- 頭痛専門医試験を受験する先生: まず『頭痛専門医試験 問題・解説集 第2版』を解き、わからなかった部分をICHD-3とガイドラインに戻って確認する方法をおすすめします。私が実際に受験して特によく使った追加の3冊は、『頭痛治療薬の考え方,使い方』『片頭痛の診かた』『女性の頭痛診療』でした。
勉強する順番やHMSJ、論文をどこまで読むかについては、以下の記事で詳しく解説しています。

よくある質問(購入前の確認ポイント)
Q1:専門医試験の過去問はどれを買えばいいですか? 最新版は?
A1:中山書店から出ている頭痛専門医試験 問題・解説集 第2版(2025/3/11発売)一択です。2024年までの試験内容を反映した最新版です。
Q2:ICHD-3日本語版はどこで読めますか?
A2:日本頭痛学会のサイトでPDFとして閲覧可能です。ただ、検索性や携帯性を考えると、医学書院から出版されている書籍版を手元に置くことを強くおすすめします。
Q3:小児の頭痛に特化した定番の教科書はありますか?
A3:はい、南山堂の小児・思春期の頭痛の診かた(改訂2版)(2022/2発売)が定番です。小児診療に関わるなら必携の一冊と言えます。中外医学社の子どもの頭痛のみかた―考えかた・伝えかた・つなげかた―(2026/1発売)も出ています。https://www.chugaiigaku.jp/item/detail.php?id=5027
Q4:頭痛専門医試験を受けるなら、この10冊を全部読む必要がありますか?
A4:いいえ。10冊すべてを読む必要はありません。私ならまず、ICHD-3、『頭痛の診療ガイドライン2021』、『頭痛専門医試験 問題・解説集 第2版』の3冊を優先します。そのうえで苦手分野を、『頭痛治療薬の考え方,使い方』『片頭痛の診かた』『女性の頭痛診療』などで補います。
実際の勉強法については、「【2026年度合格】頭痛専門医試験の勉強法」も参考にしてください。
(免責事項: 本記事で紹介している書籍の評価は、筆者個人の見解に基づいています。最新の価格や在庫状況は、各出版社のサイトやオンライン書店でご確認ください。)